第5編 第4章の2 こちらの株式でそちらの会社を子会社に
第五編 第四章の二 株式交付
第5編 第5章 各種手続きについて
第5編 第4章 株式を他の会社や新設の会社に
株式交付計画を作成して
- 第774条の2
- 株式交付により自社の株式で相手の株式会社の株式の必要な数を取得して子会社とするには、株式交付計画を作成してください。
原文
(株式交付計画の作成)
- 第七百七十四条の二
- 株式会社は、株式交付をすることができる。この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。
株式交付計画で取得する株式を
- 第774条の3
- 株式交付により子会社化に必要な数の株式を取得して親会社になるためには、株式交付計画の中で次の事項を取り決めておいてください。
- 一
- 株式交付により子会社になる会社の商号と住所。
株式交付により子会社になる株式を譲り受けために、自社の株式を発行する会社を《株式交付親会社》といいます。
株式交付のため自社の株式を譲り渡して子会社になる会社のことを《株式交付子会社》といいます。
- 二
- 株式交付により親会社となる会社が譲り受ける株式の最低限度の数。
子会社になる株式会社が種類株式を発行している場合は、譲り受ける株式の種類とその株式の最低限度の数。
- 三
- 子会社になる会社の株式を譲り渡してくれる人への見返りとなる親会社の株式の数またはその数の算定方法。
親会社になる株式会社の資本金や準備金の額に関する事項。
種類株式を発行している場合は、種類ごとの数または種類ごとの数の算定方法。
- 四
- 子会社になる株式会社の株式を譲り渡してくれる人への見返りとして譲り渡す親会社の株式の割合について。
- 五
- 子会社になる会社の株式を譲り渡してくれる人への見返りとして、次の親会社となる会社の株式以外の金銭的な価値の支払いが行われる場合は、次のそれぞれの
事項について。
- イ
- 見返りが親会社となる会社の社債の場合、その社債の種類、種類ごとの社債の合計金額または合計金額の算定方法。
- ロ
- 見返りが親会社となる株式会社の新株予約権の場合、その新株予約権の内容と数または算定方法。
- ハ
- 見返りが親会社となる株式会社の新株予約権付社債の場合、その社債の種類、種類ごとの社債の合計金額または合計金額の算定方法と、その新株予約権の内容と数または算定方法。
- 二
- 見返りが親会社となる株式会社の株式や社債以外の場合、その見返りとなる財産の内容や数量または数量の算定方法。
- 六
- 見返りが親会社となる株式会社の株式や社債以外の場合、子会社になる会社の株式を譲り渡してくれる人に対してどのように割り当てるのか。
- 七
- 株式交付にあたり、子会社となる会社の株式だけではなく、新株予約権や新株予約権付社債も親会社となる会社が譲り受けることとする場合、譲り受ける対象となる新株予約権の内容と数または算定方法。
- 八
- 株式交付にあたり、子会社となる会社の新株予約権や新株予約権付社債を譲り渡してくれる人への見返りとして、次の金銭的な価値の支払いが行われる場合は次のそれぞれの事項について。
- イ
- 見返りが株式交付親会社の株式の場合、その株式の数またはその数の算定方法。
親会社になる株式会社の資本金や準備金の額に関する事項。
種類株式を発行している場合は、種類ごとの数または種類ごとの数の算定方法。
- ロ
- 見返りが親会社となる会社の社債の場合、その社債の種類、種類ごとの社債の合計金額または合計金額の算定方法。
- ハ
- 見返りが親会社となる株式会社の新株予約権の場合、その新株予約権の内容と数または算定方法。
- 二
- 見返りが親会社となる株式会社の新株予約権付社債の場合、その社債の種類、種類ごとの社債の合計金額または合計金額の算定方法と、その新株予約権の内容と数または算定方法。
- ホ
- 見返りが親会社となる株式会社の株式や社債以外の場合、その見返りとなる財産の内容や数量または数量の算定方法。
- 九
- 見返りが親会社となる株式会社の株式や社債以外の場合、子会社になる会社の新株予約権を譲り渡してくれる人に対してどのように割り当てるのか。
- 十
- 株式交付により子会社となる会社の株式や新株予約権の譲渡の申込を受け付ける期日について。
- 十一
- 株式交付が有効となる日付。
"株式交付が有効となる日付"のことを《効力発生日》といいます。
- 2
- 見返りが親会社となる株式会社の株式や新株予約権や社債以外の場合、子会社になる会社の株式を譲り渡してくれる人に対する割り当ては、その人が所有している株式の割合に応じて支払われるようにしてください。
- 3
- 株式交付により子会社となる株式会社が種類株式を発行していたケースで、親会社となる株式会社から種類株式を譲り渡してくれる人への見返りとなる株式に関して次のような条件をつける場合、株式交付契約の中でそれぞれのケースに対する事項を取り決めておいてください。
- 一
- 種類株式の種類によっては親会社となる会社の株式を見返りとして譲り受ける対象としない場合、どのような種類株式が見返りの対象外となるのかについて。
- 二
- 種類株式の種類によっては親会社となる会社の株式を見返りとして譲り受けること以外の条件をつける場合、それぞれの種類株式に対してつけられる条件がどのようなものなのかについて。
- 4
- 見返りが親会社となる株式会社の株式の場合、子会社になる会社の株式を譲り渡してくれる人に対する割り当ては、その人が所有している株式の割合に応じて支払われるようにしてください。
- 5
- 株式交付により子会社となる株式会社が種類株式を発行していたケースで、親会社となる会社から株式や社債以外の金銭的な見返りを譲り受ける対象としない場合にどのような種類株式が見返りの対象外となるのかや、種類株式に関する条件について株式移転契約の中で決めておくことが認められます。
株式交付をする場合、子会社となる株式会社の株式を所有する人に対する見返りの株式や社債の金銭的な見返りの割り当ては、その人が所有している株式の割合に応じて支払われるようにしてください。
原文
(株式交付計画)
- 第七百七十四条の3
- 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一
- 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所
- 二
- 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限
- 三
- 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
- 四
- 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項
- 五
- 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
- イ
- 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
- ロ
- 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
- ハ
- 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
- ニ
- 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
- 六
- 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
- 七
- 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法
- 八
- 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
- イ
- 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
- ロ
- 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
- ハ
- 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
- ニ
- 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
- ホ
- 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
- 九
- 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
- 十
- 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日
- 十一
- 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)
- 2
- 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。
- 3
- 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。
- 一
- ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
- 二
- 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
- 4
- 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。
- 5
- 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。
子会社となる会社の株式の譲渡を検討している人たちに対して
- 第774条の4
- 株式交付を実行するには、子会社となる会社の株式の譲渡を検討している人たちに対して、次の事項を通知する必要があります。
- 一
- 株式交付により親会社となろうとしている会社の商号。
- 二
- 株式交付計画の内容。
- 三
- その他、法務省令で規定している事項。
- 2
- 株式交付により子会社となる会社の株式の譲渡を希望する人は、書面に次の必要事項を記載し、株式交付計画で決められた譲渡申込の受け付け期日までに親会社になろうとしている会社に提出してください。
- 一
- 申込者の氏名と住所、または申込をする法人の名称と住所。
- 二
- 譲渡を希望する株式の数、種類株式の場合はその種類と種類ごとの数。
- 3
- 親会社になろうとしている会社が認めている場合は、デジタルデバイスを使って譲渡の申込を行うことができます。
- 4
- 親会社になろうとしている会社が、株式譲渡を検討している人たちに対して金融商品取引法第2条第10項に規定されている目論見書を配布している場合など、法務省令に照らして譲渡申込を検討している人たちに対する保護に抜かりがないと判断できる場合は、第1項に規定されている通知を省くことが認められます。
- 5
- 期日の変更など通知した内容に変更があった場合は、直ちに株式譲渡の申込をした人たちに変更内容を伝えてください。
- 6
- 親会社になろうとしている会社からの連絡は申込の際に記載した住所あてに送られます。
- 7
- 内容変更の通知をはじめ親会社になろうとしている会社からの連絡は、連絡が普通に届くタイミングを経過したら連絡は届いたものとみなされます。
原文
(株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み)
- 第七百七十四条の四
- 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
- 一
- 株式交付親会社の商号
- 二
- 株式交付計画の内容
- 三
- 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
- 2
- 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。
- 一
- 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
- 二
- 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
- 3
- 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
- 4
- 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。
- 5
- 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。
- 6
- 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。
- 7
- 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
株式の譲渡を受ける数をどうするかについて
- 第774条の5
- 株式交付による株式譲渡の申込受付が完了すると、申込者の中から具体的にどの申込者からどれだけの数の株式の譲渡を受けるかを決めることになります。
この場合の株式譲渡を受ける株式の総数は株式交付計画の中で決めた譲り受ける株式の最低限度の数を下回ることは認められません。
一方、譲渡を申し込んだ人が親会社になろうとしている株式会社に提出した書面に書かれた譲渡を希望する株式の数については、必ずしも希望する全数を譲り受ける必要はありません。
種類株式の場合は、それぞれの株式の種類と数について譲渡の対象とするか、種類ごとの最低限度数を下回らないか、書面に記載の種類ごとの譲渡希望数に対してどれほどの譲渡を受けるかを決めることになります。
- 2
- 譲渡を受ける株式の対象が決まったら、親会社になろうとしている会社から譲渡希望の書類を提出した人に対して具体的にどれほどの数の株式の譲渡を受けるかについて通知が届きます。
この通知は株式交付が実際に有効となる日の前日までに発せられます。
原文
(株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て)
- 第七百七十四条の五
- 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。
- 2
- 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。
全ての株式を譲り渡す契約を結んでいたら
- 第774条の6
- 所有しているすべての株式を親会社になろうとしている会社に譲り渡すという契約を結んだ場合、株式交付のための通知や書面のやりとりや受け取る株式の数を決めるためのプロセスを行う必要はありません。
原文
(株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則)
- 第七百七十四条の六
- 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。
実際に譲り渡すことになる株式の数
- 第774条の7
- 子会社になる会社の株式を実際にどれだけ譲り渡すことになるかは、次の立場によりそれぞれの規定の数となります。
- 一
- 親会社となる会社から譲渡を受けるとの通知を受けた人は、その通知を受けた株式の数の分だけ株式を譲り渡すことになります。
- 二
- 親会社となる会社との間で所有しているすべての株式を譲り渡すという契約を結んだ人は、その契約で決めた数の株式を譲り渡すことになります。
- 2
- 株式交付が有効となる日を迎えると、譲渡を受けるとの通知を受けた人はその通知を受けた株式の数の分だけ株式を譲り渡してください。
株式交付か有効となる日を迎えると、株式を譲り渡す契約を結んだ人はその契約で決めた数の株式を譲り渡してください。
原文
(株式交付子会社の株式の譲渡し)
- 第七百七十四条の七
- 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。
- 一
- 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数
- 二
- 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数
- 2
- 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。
冗談のつもりや取引を装っただけでも株式の譲渡は
- 第774条の8
- その気もないのに相手を喜ばそうとしてついた冗談のつもりの意思表示に関して、民法の規定では相手にも伝わる冗談のレベルであれば取り消すことが認められます。
取引する当事者の間で取引をしたかのように装った場合、民法の規定では取引は成立していないことになります。
しかし株式交付に関わる次のケースでの意思表示は、たとえ冗談のつもりであっても、当事者間の取引を装っただけであっても、取引は成立する、つまり親会社となる会社に子会社となる株式は譲渡されることになります。
- 株式の譲渡を希望して、親会社になろうとしている会社に対して譲渡の申込のための書類を提出したケース。
- すべての株式を親会社になろうとしている会社に譲り渡すという契約を結んだケース。
- 2
- 大きな勘違いがあったり、詐欺や脅迫を受けた場合については株式交付のための株式譲渡の取り消しは認められます。
そのような理由であっても、親会社の株式を受け取って正式な株主になってから一年が過ぎたり、受け取った株式の売却や配当を受け取ってから一年が過ぎたら、株式譲渡の取り消しは認められなくなります。
新株予約権や新株予約権付社債を譲り渡す場合も同様に
- 第774条の9難文
- 第774条の4から第774条の8まで、子会社となる会社の株式を譲り渡す前提で規定されていますが、これらの規定は新株予約権や新株予約権付社債を譲り渡す場合も同様に適用されます。
原文
(株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用)
- 第七百七十四条の九
- 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。
決められた下限数の申込が集まらなかったら
- 第774条の10
- 株式交付による株式や新株予約権の譲渡の申込受付期日を迎えても、譲渡申込の株式の総数が株式交付計画で決められた下限数を超えない場合、株式の譲渡を受ける数を決めたり、その通知を送ることはできません。
このような事態を迎えたら、親会社となろうとしていた会社はむやみに遅れることなく、株式交付ができなくなったことを申込をした人たちに通知をしなければなりません。
原文
(申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合)
- 第七百七十四条の十
- 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。
株式交付が有効となる日を迎えると
- 第774条の11
- ●
- 2
- ●
- 3
- ●
- 一
- ●
- 二
- ●
- 三
- ●
- 4
- ●
- 一
- ●
- 二
- ●
- 三
- ●
- 四
- ●
- 5
- ●
- 一
- ●
- 二
- ●
- 三
- ●
- 四
- ●
- 6
- ●
●
原文
(株式交付の効力の発生等)
- 第七百七十四条の十一
- 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。
- 2
- 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。
- 3
- 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
- 一
- 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
- 二
- 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
- 三
- 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
- 4
- 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
- 一
- 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主
- 二
- 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者
- 三
- 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者
- 四
- 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
- 5
- 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
- 一
- 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合
- 二
- 株式交付を中止した場合
- 三
- 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合
- 四
- 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合
- 6
- 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。
第5編 第5章 各種手続きについて
第5編 第4章 株式を他の会社や新設の会社に
かみくだし方についてのご意見・ご感想、解釈の間違いに関するご指摘や、
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