第7編 第2章 裁判でケリを付けるなら
第七編 第二章 訴訟

第7編 第1章 解散を命じられると
第●章 ●
第1節 会社の組織に関して訴えたいなら
第一節 会社の組織に関する訴え
会社の組織が変わることに対する訴え
- 第828条
- 会社が行った行為を認めたくない場合、次のケースごとに所定の期間内に訴え出てください。
- 一
- 「会社の設立」に関して、会社成立の日から2年以内に。
- 二
- 会社成立後の「株式発行」に関して、発行された株式が有効になった日から6ヶ月以内に。
株式を公開していない株式会社の場合、発行された株式が有効になった日から1年以内に。 - 三
- 株式会社が発行した「株式の売却や譲渡」に関して、売却や譲渡が有効になった日から6ヶ月以内に。
株式を公開していない株式会社の場合、売却や譲渡が有効になった日から1年以内に。 - 四
- 「新株予約権の発行」に関して、発行された新株予約権が有効になった日から6ヶ月以内に。
株式を公開していない株式会社の場合、発行された新株予約権が有効になった日から1年以内に。
新株予約権付社債も同様です。 - 五
- 株式会社が「資本金を減らす」ことに関して、資本金が減らされた日から6ヶ月以内に。
- 六
- 会社の「組織変更」に関して、組織変更が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 七
- 会社の「吸収合併」に関して、吸収合併が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 八
- 会社の「新設合併」に関して、新設合併が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 九
- 会社の「吸収分割」に関して、吸収分割が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 十
- 会社の「新設分割」に関して、新設分割が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 十一
- 株式会社の「株式交換」に関して、株式交換が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 十二
- 株式会社の「株式移転」に関して、株式移転が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 十三
- 株式会社の「株式交付」に関して、株式交付が有効になった日から6ヶ月以内に。
- 2
- 会社が行った行為に対して訴え出ることが認められるのは、次のケースごとに所定の立場の人に限られます。
- 一
- 「会社の設立」に対して。
- 株式会社の場合
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社の場合)
- 監査役(指名委員会等設置会社の場合)
- 清算人
- 持分会社の場合
- 社員
- 清算人
- 二
- 会社成立後の「株式発行」に対して。
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社の場合)
- 監査役(指名委員会等設置会社の場合)
- 清算人
- 三
- 発行した「株式の売却や譲渡」に対して。
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社の場合)
- 監査役(指名委員会等設置会社の場合)
- 清算人
- 四
- 「新株予約権の発行」に対して。
- 株主
- 新株予約権の所有者
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社の場合)
- 監査役(指名委員会等設置会社の場合)
- 清算人
- 五
- 株式会社が「資本金を減らす」ことに対して。
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社の場合)
- 監査役(指名委員会等設置会社の場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 資本金の減少について承認をしなかった債権者
- 六
- 会社の「組織変更」に対して。
- 株式会社から持分会社への組織変更の場合
- 組織変更が有効となった時点で組織変更前の株式会社の株主だった人
- 組織変更が有効となった時点で組織変更前の株式会社の取締役だった人
- 組織変更が有効となった時点で組織変更前の株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 組織変更が有効となった時点で組織変更前の株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 組織変更後の持分会社の社員
- 清算人
- 破産管財人
- 組織変更について承認をしなかった債権者
- 持分会社から株式会社への組織変更の場合
- 組織変更が有効となった時点で組織変更前の持分会社の社員だった人
- 組織変更後の株主
- 組織変更後の取締役
- 組織変更後の監査役(監査役設置会社の場合)
- 組織変更後の執行役(指名委員会等設置会社の場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 組織変更について承認をしなかった債権者
- 持分会社から別の持分会社への組織変更の場合
- 組織変更が有効となった時点で組織変更前の社員だった人
- 組織変更後の持分会社の社員
- 清算人
- 破産管財人
- 組織変更について承認をしなかった債権者
- 七
- 会社の「吸収合併」に対して、
- 株式会社が吸収合併を行った場合
- 吸収合併が有効となった時点で吸収合併前の株式会社の株主だった人
- 吸収合併が有効となった時点で吸収合併前の株式会社の取締役だった人
- 吸収合併が有効となった時点で吸収合併前の株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 吸収合併が有効となった時点で吸収合併前の株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 吸収合併について承認をしなかった債権者
- 持分会社が吸収合併を行った場合
- 吸収合併が有効となった時点で吸収合併前の持分会社の社員だった人
- 吸収合併について承認をしなかった債権者
- 吸収合併後に株式会社が存続する場合
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社だった場合)
- 執行役(指名委員会等設置会社だった場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 吸収合併について承認をしなかった債権者
- 吸収合併後に持分会社が存続する場合
- 持分会社の社員
- 清算人
- 破産管財人
- 吸収合併について承認をしなかった債権者
- 八
- 会社の「新設合併」に対して、
- 株式会社が新設合併に加わった場合
- 新設合併が有効となった時点で新設合併前の株式会社の株主だった人
- 新設合併が有効となった時点で新設合併前の株式会社の取締役だった人
- 新設合併が有効となった時点で新設合併前の株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 新設合併が有効となった時点で新設合併前の株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 新設合併について承認をしなかった債権者
- 持分会社が新設合併に加わった場合
- 新設合併が有効となった時点で新設合併前の持分会社の社員だった人
- 新設合併について承認をしなかった債権者
- 新設合併に際して株式会社を新設する場合
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社だった場合)
- 執行役(指名委員会等設置会社だった場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 新設合併について承認をしなかった債権者
- 新設合併に際して持分会社を新設する場合
- 持分会社の社員
- 清算人
- 破産管財人
- 新設合併について承認をしなかった債権者
- 九
- 会社の「吸収分割」に対して、
- 株式会社が吸収分割をした場合
- 吸収分割が有効となった時点で吸収分割契約をした株式会社の株主だった人
- 吸収分割が有効となった時点で吸収分割契約をした株式会社の取締役だった人
- 吸収分割が有効となった時点で吸収分割契約をした株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 吸収分割が有効となった時点で吸収分割契約をした株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 吸収分割について承認をしなかった債権者
- 持分会社が吸収分割契約をした場合
- 吸収分割が有効となった時点で吸収分割契約をした持分会社の社員
- 吸収分割について承認をしなかった債権者
- 吸収分割により株式会社が事業を引き継いだ場合
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社だった場合)
- 執行役(指名委員会等設置会社だった場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 吸収分割について承認をしなかった債権者
- 吸収分割により持分会社が事業を引き継いだ場合
- 持分会社の社員
- 清算人
- 破産管財人
- 吸収分割について承認をしなかった債権者
- 十
- 会社の「新設分割」に対して、
- 株式会社が新設分割をした場合
- 新設分割が有効となった時点で新設分割をする株式会社の株主だった人
- 新設分割が有効となった時点で新設分割をする株式会社の取締役だった人
- 新設分割が有効となった時点で新設分割をする株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 新設分割が有効となった時点で新設分割をする株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 新設分割について承認をしなかった債権者
- 持分会社が新設分割をする場合
- 新設分割が有効となった時点で新設分割をする持分会社の社員
- 新設分割について承認をしなかった債権者
- 新設分割により株式会社が新設された場合
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社だった場合)
- 執行役(指名委員会等設置会社だった場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 新設分割について承認をしなかった債権者
- 新設分割により持分会社が新設された場合
- 持分会社の社員
- 清算人
- 破産管財人
- 新設分割について承認をしなかった債権者
- 十一
- 株式会社の「株式交換」に対して、
- 子会社となる株式会社の場合
- 株式交換が有効となった時点で株式交換により子会社となる株式会社の株主だった人
- 株式交換が有効となった時点で株式交換により子会社となる株式会社の取締役だった人
- 株式交換が有効となった時点で株式交換により子会社となる株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 株式交換が有効となった時点で株式交換により子会社となる株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 株式交換について承認をしなかった債権者
- 株式を取得して親会社となる会社の場合
- 株主(株式会社の場合)
- 取締役(株式会社の場合)
- 監査役(監査役設置会社の場合)
- 執行役(指名委員会等設置会社の場合)
- 社員(持分会社の場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 新設分割について承認をしなかった債権者
- 十二
- 株式会社の「株式移転」に対して、
- 子会社となる株式会社の場合
- 株式移転が有効となった時点で株式移転により子会社化となる株式会社の株主だった人
- 株式移転が有効となった時点で株式移転により子会社化となる株式会社の取締役だった人
- 株式移転が有効となった時点で株式移転により子会社化となる株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 株式移転が有効となった時点で株式移転により子会社化となる株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 株式交換について承認をしなかった債権者
- 株式移転により親会社となるために新設された株式会社の場合
- 株主
- 取締役
- 監査役(監査役設置会社の場合)
- 執行役(指名委員会等設置会社の場合)
- 清算人
- 破産管財人
- 株式移転について承認をしなかった債権者
- 十三
- 株式会社の「株式交付」に対して、
- 株式交付により自社株と引き換えに相手の会社の株式を受け取って親会社となる株式会社の場合
- 株式交付が有効となった時点で親会社となる株式会社の株主だった人
- 株式交付が有効となった時点で親会社となる株式会社の取締役だった人
- 株式交付が有効となった時点で親会社となる株式会社の監査役だった人(監査役設置会社の場合)
- 株式交付が有効となった時点で親会社となる株式会社の執行役だった人(指名委員会等設置会社の場合)
- 株式交付について承認をしなかった債権者
- 株式交付により親会社となった株式会社の株主
- 株式交付により親会社となった株式会社の取締役
- 株式交付により親会社となった株式会社の監査役(監査役設置会社の場合)
- 株式交付により親会社となった株式会社の執行役(指名委員会等設置会社の場合)
- 破産管財人
- 株式交付について承認をしなかった債権者
- 株式交付により子会社となる株式会社の場合
- 株式を譲り渡した人
- 新株予約権を譲り渡した人
- 破産管財人
- 株式交付について承認をしなかった債権者
原文
株式に関わる行為をしていないかどうかの訴え
- 第829条
- 株式会社が次の行為をしていないかどうかについては、確認することを裁判所に訴え出ることが認められます。
- 一
- 株式会社が成立した後に新たな株式を発行していないかどうか。
- 二
- 株式会社が所有している株式を手放していないかどうか。
- 三
- 新株予約権を発行していないかどうか。
原文
疑問を持たれる決議や法律違反の決議に対する訴え
- 第830条
- 疑問を持たれる内容の決議を株式会社がしていないかどうかについては、確認することを裁判所に訴え出ることが認められます。
決議をした場については通常の株主総会に限らず、種類株主総会、創立総会、種類創立総会も対象となります。 - 2
- 法律に違反する内容の株主総会での決議に対しては、法律違反を持って決議が無効であると判断してもらうことを裁判所に訴え出ることが認められます。
決議をした場については通常の株主総会に限らず、種類株主総会、創立総会、種類創立総会も対象となります。
原文
株主総会における決議を取り消すための訴え
- 第831条
- 次のケースに該当する場合、株主総会から3ヶ月以内であれば、その総会における決議の取り消してもらうための訴えを裁判所に要請することが認められます。
要請をすることが認められるのはその株式会社の株主の他、取締役、監査役(監査役設置会社だった場合)、執行役(指名委員会等設置会社だった場合)、清算人などです。 - 一
- 株主総会の招集の手続や、決議の方法が法令や定款に違反していたり、とんでもなく不公正に行われたケース。
- 二
- 株主総会の決議の内容が定款に違反したケース。
- 三
- 特別な勢力が大きな議決権を行使したためにとんでもなく不当な決議が行われたケース。
- 2
- たとえ株主総会の招集の手続や、決議の方法が法令や定款に違反していたり、不公正であったとしても、その程度がたいしたことではないと判断されたり、決議に対してさほど影響はなかったと判断されると、決議取り消しの訴えを裁判所に棄却されることもあります。
原文
持分会社の設立を取り消すための訴え
- 第832条
- 次のケースに該当する場合、持分会社の成立の日から2年以内であれば、持分会社の設立という自体を取り消してもらうための訴訟を起こすことが認められます。
要請をすることが認められるのはそれぞれのケースに規定されている人が対象となります。 - 一
- 民法をはじめ法律によっては自分の意志を変えることが認められる条件についての規定があり、それらの規定に該当するケース。
意志を変えることが認められる社員が対象となります。 - 二
- 債権者がダメージを受けることがわかっていて、社員が持分会社を設立したケース。
ダメージを受ける可能性がある債権者。
民法第1編第5章第2節意思表示では、意思表示を無効にすることが認められる状況や認められない状況についての規定があります。
原文
株式会社の解散の訴え
- 第833条
- 次の状況に該当した場合、一定の比率の議決権や株式の数を有する株主は裁判所に株式会社の解散を認めてもらうための訴訟を起こすことが認められます。
訴訟が認められるのは、全ての議決権の10%以上の議決権を有する株主か、自己株を除く発行済の全株式の10%以上を有する株主に限られます。
定款で10%よりも少ない議決権や株式数を指定することは認められます。 - 一
- 株式会社としての業務を続けることが極めて困難となり、取り返しのつかない損害が生じたり、損害が生じる可能性が発生した状況。
- 二
- 株式会社の資産や財産の扱いが適切に行われなくなり、経営が続かなくなるおそれが生じている状況。
- 2
- やむを得ない理由がある場合、持分会社の社員は裁判所に持分会社の解散を認めてもらうための訴訟を起こすことが認められます。
原文
会社が被告となる訴訟
- 第834条
- 次の各号に該当する訴訟のことは、まとめて《会社の組織に関する訴え》と呼ばれています。
《会社の組織に関する訴え》の裁判において被告となるのは、各号の規定の通りとなります。 - 一
- 会社設立の無効の訴えは、設立された会社が被告となります。
- 二
- 会社が設立後に新しく発行した株式の無効の訴えは、株式を発行した株式会社が被告となります。
この訴えは《新株発行の無効の訴え》といいます。 - 三
- 自己株式が処分されたことに対する無効の訴えは、処分を行った株式会社が被告となります。
- 四
- 新株予約権が発行されたことに対する無効の訴えは、新株予約権を発行した株式会社が被告となります。
- 五
- 株式会社の資本金が減額されたことに対する無効の訴えは、資本金を減額した株式会社が被告となります。
- 六
- 会社が組織変更されたことに対する無効の訴えは、組織変更を行った会社が被告となります。
- 七
- 吸収合併したことや、吸収合併されたことに対する無効の訴えは、吸収合併後に存続した会社が被告となります。
- 八
- 新設合併が行われたことに対する無効の訴えは、新設合併により設立された会社が被告となります。
- 九
- 吸収分割が行われたことに対する無効の訴えは、吸収分割契約をした会社が被告となります。
- 十
- 新設分割が行われたことに対するの無効の訴えは、新設分割をする会社と新設分割により設立された会社が被告となります。
- 十一
- 株式交換が行われたことに対する無効の訴えは、株式交換契約を行った会社または株式会社が被告となります。
- 十二
- 株式移転が行われたことに対する無効の訴えは、株式移転をする株式会社と株式移転により設立された株式会社が被告となります。
- 十二の二
- 株式交付が行われたことに対する無効の訴えは、株式交付により親会社となった株式会社が被告となります。
- 十三
- 株式会社が成立したことになっているにも関わらず、株式が発行された形跡がないことを認めてもらうための訴えは、株式の発行をしたことになっている株式会社が被告となります。
- 十四
- 自己株式を処分していなかったり、処分の方法に問題があったことを認めてもらうための訴えは、自己株式を処分したことになっている株式会社が被告となります。
- 十五
- 新株予約権を発行するための手続きが行われていなかったことを認めたもらうための訴えは、新株予約権の発行をしたことになっっている株式会社が被告となります。
- 十六
- 株主総会での決議が得られていないことや株主総会での決議が法令違反であるため無効であることを認めてもらうための訴えは、その決議を行ったという株式会社が被告となります。
- 十七
- 株主総会の決議の手続きに問題があったり、法令違反などの理由で取消しをしてもらうための訴えは、その決議を行った株式会社が被告となります。
- 十八
- 民法の規定により意志を変えることが認められるケースで、社員による持分会社の設立を取り消してもらうための訴えは、その設立された持分会社が被告となります。
- 十九
- 債権者がダメージを受けることがわかっていて持分会社が設立されたケースで、社員による持分会社の設立を取り消してもらうための訴えは、その設立された持分会社とダメージを受けることがわかっていて持分会社を設立した社員が被告となります。
- 二十
- 株式会社の解散に関する訴えは、その株式会社が被告となります。
- 二十一
- 持分会社の解散に関する訴えは、 その持分会社が被告となります。
原文
管轄する裁判所は
- 第835条
- 会社の組織に関する訴訟は、被告となる会社の本社所在地を管轄する地方裁判所で行います。
- 2
- 吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転の無効に関する裁判については複数の会社が関わることになるので、管轄する地方裁判所も複数になることがあります。
その場合は、最初に提訴が行われた地方裁判所が管轄することとします。 - 3
- 複数の会社が関わる裁判で最初に提訴が行われた地方裁判所が管轄するケースであっても、そのままでは損害がやたら大きくなったり、解決までの時間がやたらかかってしまうといった事態を避けるため、裁判に関わる人からの申し立てや裁判所の職権で別の地方裁判所に管轄を移すことも認められます。
原文
むやみやたらと訴訟を起こされないように
- 第836条
- 会社組織に関することで訴訟を起こされると会社は少なからずダメージを受けることになります。
そのような目的での訴訟をむやみやたらと起こされることを防ぐため、被告となる会社は原告となる株主に対して担保を差し出すことを求めるように申し立てることが認められます。
申し立てが認められると、原告は裁判所から相応の金額を担保として積むように命じられることになります。
ただし、原告である株主が会社の取締役であったり、監査役、執行役、清算人である場合は会社を良くすることが目的だと考えられるので、担保を積むように命じられることはありません。
この規定は設立時株主が訴訟を起こすケースでも同様に担保を積むように命じられることになる場合がある一方、設立時株主が設立時取締役や設立時監査役である場合には担保を命じられることはありません。 - 2
- 会社に対する債権者や、株式交付のケースで株式や新株予約権を譲り渡した人が会社組織に関する訴訟を起こした場合にも株主に対するのと同様の担保を命じられることがあります。
- 3
- 被告となる会社が担保を求める申し立てをするためには、会社に対するダメージを与えることが目的であることを明らかにしておく必要があります。
原文
対方面から同時期に訴訟が起こされたら
- 第837条
- 複数の方面から会社の組織に関する訴訟が同時期に起こされたら、それに関する弁論や裁判はまとめて行われることになります。
原文
請求を認める判決は全ての人に影響を
- 第838条
- 会社組織に関する判決で、請求を認める判決が出たら、その結果は会社はもちろん会社に関わる全ての人に影響を及ぼすことになります。
原文
判決が確定するまでは有効
- 第839条難文
- 会社組織に関する裁判で、無効を求める原告側の主張が認められると、判決が確定した後の会社に対して無効や取り消しとなります。
それまでの組織事態やその組織で営まれた行いは有効であり、時を遡って取り消しにはなりません。
そのため、会社設立の無効の訴え(第834条第一号)に対して「無効」の判決が出ても、判決が確定するまでの間に営まれた会社の実績は有効です。
また、新株発行の無効の訴え(第834条第二号)や新株予約権が発行されたことに対する無効の訴え(第834条第四号)に対して「無効」の判決が出ても、判決の確定前に発行された株式や新株予約権は有効です。
その他に対象となるのは次の条文です。- 自己株式が処分されたことに対する無効の訴え(第834条第三号)
- 株式会社の資本金が減額されたことに対する無効の訴え(第834条第五号)
- 会社が組織変更されたことに対する無効の訴え(第834条第六号)
- 吸収合併したことや、吸収合併されたことに対する無効の訴え(第834条第七号)
- 新設合併が行われたことに対する無効の訴え(第834条第八号)
- 吸収分割が行われたことに対する無効の訴え(第834条第九号)
- 新設分割が行われたことに対するの無効の訴え(第834条第十号)
- 株式交換が行われたことに対する無効の訴え(第834条第十一号)
- 株式移転が行われたことに対する無効の訴え(第834条第十二号)
- 株式交付が行われたことに対する無効の訴え(第834条第十二号の二)
原文
新株の発行が無効となる場合の代金は
- 第840条
- 新株発行の無効を訴えた原告の主張の通りに無効が確定したケースで、株式会社に代金を支払って新株を手に入れた株主は無効となった株式に対する代金の返金を受けることになります。
このケースで株券が発行されていた場合、株主は返金と引き換えに株券の引き渡しが必要となることがあります。 - 2
- 新株発行の無効を訴えた原告の主張の通り新株の無効が確定したケースで、株式会社の財産状況に対して代金の返金額があまりにも不当な場合は裁判所に返金額の増減を命じるように申し立てをすることが認められます。
この訴えは株式会社側からでも、株主側からでも申し立てることが認められます。 - 3
- 返金額の増減に関する申し立ては、新株の無効が確定した日から6ヶ月以内に行う必要があります。
- 4
- 質権を設定していた新株の無効が確定したケースでは、新株の質権は返金される代金に移ることになります。
- 5
- 株主名簿に「質権が設定された株式に対する株主」であることを登録されていた場合、他の株主よりも優先的に代金の返金を受けることが認められます。
- 6
- 株主名簿に「質権が設定された株式に対する株主」であることを登録されていたケースで、新株の無効が質権の返済期限を迎えるまで、代金の返金を受けられないものの、株式会社に対してその代金分を供託させることが認められます。
新株の質権は供託金に移ることになります。
原文
自己株式の処分が無効となる場合の代金は
- 第841条
- 自己株式の処分無効を訴えた原告の主張の通り処分無効が確定したケースで、株式会社から売りに出ていた株式を購入した株主は株式を返すことになるので、その株式分の代金の返金を受けることになります。
このケースで株券が発行されていた場合、株主は返金と引き換えに株券の引き渡しが必要となることがあります。 - 2
- このケースでも、返金額が不当な場合は裁判所に返金額の増減を命じる申し立てが認められます。
この申し立ては無効の確定日から6ヶ月以内に行う必要があります。
質権が設定されていた場合、質権は株式から返金される代金に移り、株主名簿に質権設定されていれば優先的に返金を受けることが認められ、質権の返済期限を迎えるまでは株式会社に供託させることが認められます。
原文
新株予約権の発行が無効となる場合の代金は
- 第842条
- 新株予約権発行の無効を訴えた原告の主張の通りに無効が確定したケースで、株式会社に代金を支払って新株予約権を手に入れた株主は無効となった新株予約権に対する代金の返金を受けることになります。
このケースで新株予約権の証券が発行されていた場合、新株予約権の所有者は返金と引き換えにその証券の引き渡しが必要となることがあります。
新株予約権付き社債の場合はその新株予約権の部分の返金を受けることになり、証券で新株予約権付き社債が発行されていた場合には代金と引き換えにその証券の引き渡しが必要となることがあります。 - 2
- このケースでも、返金額が不当な場合は裁判所に返金額の増減を命じる申し立てが認められます。
この申し立ては無効の確定日から6ヶ月以内に行う必要があります。
質権が設定されていた場合、質権は新株予約権から返金される代金に移り、新株予約権原簿に質権設定されていれば優先的に返金を受けることが認められ、質権の返済期限を迎えるまでは株式会社に供託させることが認められます。
原文
無効となったために生じる債務は連帯で
- 第843条
- 次の会社組織に関する裁判で、無効を求める原告側の主張が確定したら、その日以降に発生した無効となったことによって生じた債務について被告の会社とそれぞれのケースで関わった会社が連帯してっ支払いをする義務を負うことになります。
- 一
- 吸収合併の無効が確定したケースでは、「吸収合併を行った会社」と「吸収合併された会社」に加え、「吸収合併後に存続する会社」による連帯債務となります。
- 二
- 新設合併の無効が確定したケースでは、「会社を新設して新設合併を行った会社」と「新設された会社に合併された会社」に加え、「新設合併により設立された会社」による連帯債務となります。
- 三
- 吸収分割の無効が確定したケースでは、「吸収分割を行って事業の権利義務を分割した会社」と「それを引き受けた会社」による連帯債務となります。
- 四
- 新設分割の無効が確定したケースでは、「会社を新設して事業の権利義務を分割した会社」と「それを引き受けるために新設された会社」による連帯債務となります。
- 2
- 会社組織に関する裁判により、吸収合併や新設合併、吸収分割の無効が確定するまでに無効となる会社が稼いだお金は、連帯債務を負う会社による共有財産として扱います。
新設分割の無効が確定するまでに稼いだお金は、新設分割により事業の権利義務を分割した会社のものとなります。 - 3
- 連帯債務と共有財産をどのように配分するかは連帯債務を負う会社の話し合いで決めてください。
- 4
- 配分についての話し合いがまとまらない場合は裁判所に申し出て、裁判所に決めてもらうことになります。
申し出を受けた裁判所は、連帯債務を負うそれぞれの会社の無効が確定した時点における財産の保有状況と各会社の個別の事情を考慮に入れて配分を決めることになります。
原文
株式交換や株式移転が無効となる場合の株式は
- 第844条
- 株式交換や株式移転により自社の株式を譲り渡して子会社になった株式会社のことを《旧完全子会社》といいます。
株式交換や株式移転により他社の株式を譲り受けて親会社になった株式会社のことを《旧完全親会社》といいます。
株式交換や株式移転の無効に関する裁判で無効を求める原告側の主張が確定しケースで、《旧完全親会社》が代償として自社の株式を譲り渡し《旧完全子会社》の株式からその会社の株式を取得していた場合、《旧完全親会社》は譲り受けていた《旧完全子会社》の株式を元の株主に返却してください。
《旧完全親会社》が株券を発行していたら、元の株主に《旧完全子会社》の株式と交換で、自社の株券を返してもらうことが認められます。
《旧完全親会社》が《旧完全子会社》の株主に代償として譲り渡した自社の株式のことを《旧完全親会社株式》といいます。
《旧完全子会社》の株主が《旧完全親会社》に譲り渡した《旧完全子会社》の株式のことを《旧完全子会社株式》といいます。 - 2
- 《旧完全親会社株式》に質権が設定されていたケースで、株式交換や株式移転の無効が確定した場合、その質権は代償として返却された《旧完全子会社株式》に移ることになります。
- 3
- 株主名簿に「質権が設定された株式に対する株主」であることを登録されていたケースで、株式交換や株式移転の無効が確定した場合、《旧完全親会社》はむやみに遅れること無く《旧完全子会社株式》に対して、この質権を有する人の氏名や住所と株式の内容についての情報を伝えてください。
- 4
- 《旧完全親会社》から「質権が設定された株式に対する株主」の氏名や住所と株式の内容についての情報を受け取ったら、《旧完全子会社》は直ちにその情報を株主名簿に記載してください。
- 5
- 《旧完全子会社》が発行した株券に質権が設定されていたケースで、株式交換や株式移転の無効が確定した場合、《旧完全親会社》は質権を有する人に対してその株券を引き渡してください。
この株券の引き渡しは、質権を設定している人が代償として受け取っていた《旧完全親会社》の株券を返していなければ、それまでの間は引き渡しを保留してかまいません。
原文
株式交付が無効となる場合の株式は
- 第844条の2
- 株式交付により親会社となろうとする会社が自社の株式を渡して子会社にしようとする会社の株主からその株式や新株予約権を譲り受けていたケースで、株式交付の無効に関する裁判で無効を求める原告側の主張が確定したら、譲り受けていた株式や新株予約権は元の株主に返還してください。
このケースで、親会社となろうとする会社が渡していた自社の株式のことを《旧株式交付親会社株式》といいます。
このケースで、子会社にしようとするために譲り受けていた会社の株式や新株予約権のことを《旧株式交付子会社株式等》といいます。
《旧株式交付親会社株式》の株券を発行していたら、元の株主に《旧完全子会社》の株式と交換で、自社の株券を返してもらうことが認められます。。 - 2
- 《旧完全親会社株式》に質権が設定されていたケースで、株式交付の無効が確定した場合、その質権は代償として返却された《旧完全子会社株式》に移ることになります。
原文
持分会社の無効や取り消しが確定しても
- 第845条
- 持分会社の設立に関する裁判で設立の無効や取り消しを求める原告側の主張が確定しても、無効や取り消しの原因が一部の社員だけにあった場合、それ以外の社員の全員が同意をすればその持分会社を存続させる道も残されます。
持分会社を存続させる道を選ぶためには、原因となった社員は退社させたものとみなされます。
原文
敗訴した原告には賠償の連帯責任
- 第846条
- 会社組織に関する裁判で無効や取り消しを求めた原告側が敗訴したケースで、原告が良からぬ考えを持っていたり、明らかな落ち度があった場合は、その原告は連帯して被告の受けた損害に対する賠償をする責任が生じます。
原文
第1節の2 ■
第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え
●
- 第846条の2
- ●
- 2
- ●
- 一
- ●
- 二
- ●
●
原文
●
- 第846条の3
- ●
●
原文
●
- 第846条の4
- ●
●
原文
●
- 第846条の5
- ●
- 2
- ●
●
原文
●
- 第846条の6
- ●
●
原文
●
- 第846条の7
- ●
●
原文
●
- 第846条の8
- ●
●
原文
●
- 第846条の9
- ●
●
原文
第2節 ■
第二節 株式会社における責任追及等の訴え(第八百四十七条―第八百五十三条)
●
- 第84●条
- ●
- 2
- ●
- 一
- ●
●
原文
第3節 ■
第三節 株式会社の役員の解任の訴え(第八百五十四条―第八百五十六条)
●
- 第85●条
- ●
- 2
- ●
- 一
- ●
●
原文
第4節 ■
第四節 特別清算に関する訴え(第八百五十七条・第八百五十八条)
●
- 第85●条
- ●
- 2
- ●
- 一
- ●
●
原文
第5節 ■
第五節 持分会社の社員の除名の訴え等(第八百五十九条―第八百六十二条)
●
- 第85●条
- ●
- 2
- ●
- 一
- ●
●
原文
第6節 ■
第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え(第八百六十三条・第八百六十四条)
●
- 第86●条
- ●
- 2
- ●
- 一
- ●
●
原文
第7節 ■
第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え(第八百六十五条―第八百六十七条)
●
- 第86●条
- ●
- 2
- ●
- 一
- ●
●
原文
第●編 第●章 ●
第●編 第●章 ●
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