第2編 株式会社について
第二編 株式会社
第1章 株式会社を設立しよう
第一章 設立

第2編 第2章 株式について
第1編 第4章 事業を譲り渡したんだから
第1節 この編でいえること
第一節 総則
株式会社設立の方法は
- 第25条
- 会社を設立する方法には次の2つのパターンがあります。
- 一
- 会社設立時のメンバーが会社スタート用の全株式を引き受けるパターン。
詳しくは第2節 会社のオキテから第8節 株式会社を設立した人たちの責任とはに規定されています。 - 二
- 会社設立時のメンバーが会社スタート用の株式の一部を引き受ける一方、出資者を募って残りの株式を引き受けてもらうパターン。
詳しくは第2節 会社のオキテ、第3節第39条(設立時に取締役などになる条件)、第6節 設立時点での代表取締役はから第9節 株式を引き受けてもらって株式会社をに規定されています。 - 2
- “会社設立時のメンバー”のことを《発起人》、“会社スタート用の株式”のことを《設立時発行株式》といいます。
発起人となる人は少なくとも1株以上の設立時発行株式を引き受けなければなりません。
原文
26
第2節 会社のオキテ
第二節 定款の作成
会社のオキテを定めよう
- 第26条
- 株式会社には《定款》という“オキテ”があります。
発起人は株式会社を設立するときに定款を定めて、発起人全員が署名をしてください。
署名の代わりに、名前をプリントしてそこに実印を押すことで対応してもかまいません。 - 2
- 定款はデジタルデータで作成してもかまいません。
デジタルデータで作成した定款には、法務省令で規定する電子署名をしてください。
法務省令:会社法施行規則第225条(電子署名)
原文
27
定款に書き込む内容
- 第27条
- 定款には次の内容を記載しておく必要があります。
- 一
- どのような事業を行うつもりなのか
- 二
- 会社の名前、商号
- 三
- 本社の所在地
- 四
- 設立時の出資金の金額(確定していない場合は最低額でOK)
- 五
- 発起人の氏名と住所、出資する法人の名称とその本社所在地
原文
28
特殊なケースで定款に記載する内容
- 第28条
- 株式会社の設立にあたり、次のケースに該当する場合はその内容を正当化するために定款に記載をしてください。
- 一
- お金以外の支援をする出資者がいるケースでは、その出資者の名前と住所、支援の内容、その人に割り当てられる株式が何株あるか。
- 二
- 株式会社が無事に設立したら、株式会社を財政的に支援してもらえることが決まっているケースでは、その支援者の名前と住所、支援してもらえるお金や財産がいくらなのか。
- 三
- 株式会社が無事に設立したら、発起人が報酬を受け取ることが決まっているケースでは、その発起人の名前と住所、支払われる報酬の金額がいくらなのか。
- 四
- 設立のためにかかる費用を株式会社が負担することが決まっているケースでは、その費用がいくらなのか。
株式会社が負担する費用の内、定款作成に関わる費用や、会社にダメージを与えない程度の小学な費用については定款に記載する必要はありません。
原文
29
さらに定款に書き込む内容
- 第29条
- これまでの規定の他に、会社法の規定により定款に記載をしておかないと後々困ることになる内容を記載してください。
もちろん会社法に違反する内容は記載できません。
原文
30
定款は公証人の認証を
- 第30条
- 定款を有効なものにするためには公証人の認証を受けてください。
- 2
- いったん公証人の認証を受けたら、会社が成立するまでその内容を変更することができなくなります。
原文
31
定款の置き場所と閲覧方法
- 第31条
- 定款は、発起人が責任を持って、本社や支社内の自分たちが決めた場所で保管してください。
- 2
- 定款は、発起人が責任を持って、自分たちが決めた時間であれば閲覧に関する次の要請に応えられるように定款の保管する体制を整えてください。
なお要請に応えるためにかかる費用は予め値段を決めておいて、要望があった場合は費用を請求してもかまいません。 - 一
- 定款が書面で作成している場合に、発起人が書面を閲覧したい、という要請。
- 二
- 定款が書面で作成している場合に、発起人が定款のコピーが欲しい、という要請。
- 三
- 定款がデジタルデータの場合に、発起人がデジタルデバイスを使って閲覧したい、という要請。
デジタルデータの閲覧方法については法務省令で規定されています。 - 四
- 定款がデジタルデータの場合に、発起人がデジタルデータのコピーやプリントアウトが欲しい、という要請。
- 3
- 株式会社の設立後、その親会社の株主や親会社の社員が子会社に対する権利を行使するためであれば、発起人と同じように定款を閲覧するための要請をすることができます。
- 4
- 定款がデジタルデータの場合は、保管場所を分けておく必要がないので、本社内のサーバー管理でかまいません。
原文
32
第3節 株式会社に出資しよう
第三節 出資
設立前に発行株式の割当を決めておこう
- 第32条
- 会社の設立にあたり、次のような会社のお金に関する取り決めは全ての発起人の同意の上で決めてください。
- 一
- 設立の際に発起人の一人ひとりに割り当てられる株式の数。
- 二
- 設立の際の割り当て株式に対する発起人一人ひとりが負担する金額。
- 三
- 設立後の株式会社の資本金や資本準備金の金額に関する取り決め。
- 2
- 種類株式会社を設立する場合も、株式の割当などに関する取り決めは全ての発起人の同意の上で決めてください。
原文
33
定款の認証を受けたら検査役を決めて
- 第33条
- 定款の中で取り決めを記載したことを公証人の認証を受けたらすぐに、それが嘘ではないことを調べるために検査役を取り決めてください。
検査役の取り決めをしたら裁判所に申し立てをしてください。 - 2
- 申し立てをしても、法令上の問題があると裁判所で不適法と判断されることがあります。
そのようなことがなければ、裁判所により検査役が選任されます。 - 3
- 検査役が選任されると、裁判所では株式会社が選任役に支払うべき報酬額を指定してくれます。
- 4
- 検査役になった人は、実際に定款に関する調査を実施し、その結果を報告書としてまとめて書面かデジタルデータで裁判所に提出してください。
- 5
- 定款に関する報告書を受け取った裁判所がその内容についてよく解らないと判断されたり、もっと詳しいことを調べる必要があると判断したら、検査役に対して報告書の再提出を命じることがあります。
- 6
- 定款に関する報告書を裁判所に提出したら、その複製を発起人のみなさんにも提出してください。
- 7
- 定款に関する報告書を受け取った裁判所がその内容について問題があると判断されたら、書き直すように指示されることがあります。
- 8
- 裁判所から定款書き直しの指示を受けることになったら、指示から1週間以内に限り、発起人が自分の株式に対する負担額について不満を述べることが認められます。
- 9
- 裁判所から定款書き直しの指示を受けることになって発起人から不満が出た場合、指示されてから1週間以内に限り、定款の中の指示された部分をカットすることが認められます。
- 10
- 次の各号に該当しているケースでは、各号に記載されている定款に関する規定に従う必要はありません。
- 一
- 株式会社が出資者から支援を受ける資産として定款に記載される金額が500万円以下の場合は、第28条第一号と第二号の規定に従う必要はありません。
- 二
- 出資者から額面が記載された有価証券や、額面割れした有価証券が資産として提供されたことが定款に記載されている場合は、第28条第一号と第二号の規定に従う必要はありません。
- 三
- 出資者から現物支給された資産について税理士から評価額の証明を受けた場合は、第28条第一号と第二号の規定に従う必要はありません。
税理士の他、弁護士、公認会計士、監査法人からの評価証明でもOKです。 - 11
- 次に該当する人は、その資格があったとしても、現物支給品の評価額の証明をすることは認められません。
- 一
- 発起人。
- 二
- 株式会社の設立後に財政的な支援をすることが決まっている人。
- 三
- 株式会社の設立時み取締役や監査役に就任する人。
- 四
- 資格を持つ役職が業務停止になっている人。
- 五
- 弁護士法人、監査法人、税理士法人でその社員の半数以上が株式会社の発起人や支援者、取締役や監査役に就任することになっている人。
原文
34
株式を受け取ったら
- 第34条
- 発起人として株式を受け取ったら、直ちに受け取った株式に相当する出資金の払い込みや、金銭以外の出資財産の提供をしてください。
ただし、登記などの手続きや他の人にとやかく言われないようにするための対応については他の全ての発起人の同意を得れば、株式会社の成立後まで時間がかかってもやむを得ないものとします。 - 2
- 出資金は必ず銀行や信託会社などの金融機関で支払いの手続きをしてください。
原文
35
設立前の株式会社の株主になれる権利を売買しても
- 第35条
- 出資者として設立前の株式会社の株主になれる権利を他人に譲渡することは可能です。
しかし、そのような売買を知らされていない株式会社側がその権利を譲り受けた人を会社設立時の株主として扱うことはありません。
原文
36
ちゃんと出資をしないと
- 第36条
- 発起人の中にちゃんと出資をしていない人がいたら、他の発起人から期限を切られて出資をするように催促されることになります。
- 2
- 督促の期限は最低2週間の猶予が与えられます。
- 3
- 期限内に出資をしないと、他の人が出資をした時点で設立時の株主になれる権利を失うことになります。
原文
37
発行が認められる株式の総数
- 第37条
- 定款に、株式会社が発行することが認められる株式の総数が決められていない場合、発起人の総意により株式会社の設立までに株式の総数を決めて定款を記載し直してください。
- 2
- 定款に、株式会社が発行することが認められる株式の総数が決められているものの、株式の総数を変更する必要が生じた場合、株式会社の設立前であれば、発起人の総意により定款に記載し直すことが認められます。
- 3
- 株式を手に入れる場合に会社の承認は不要と定款に定めている公開会社の場合、設立時に発行される株式の総数は、発行が認められている株式の総数の内の四分の一以上にしてください。
原文
38
第4節 会社設立時点で取締役を務める人を決めよう
第四節 設立時役員等の選任及び解任
会社設立時点で取締役を務める人を決めて
- 第38条
- 出資の手続きが終わったら、発起人は会社設立時点での取締役を決めてください。
- 2
- 監査等委員会設置会社の設立の場合、設立時に監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して決めてください。
- 3
- 次の場合、設立時の取締役として該当する役職を決めてください。
- 一
- 会計参与設置会社の設立の場合、会計参与を務める取締役。
- 二
- 監査役設置会社の設立の場合、監査役を務める取締役。
- 三
- 会計監査人設置会社の設立の場合、会計監査人を務める取締役。
- 4
- 定款に記載された人は、出資の手続きが完了したら設立時の取締役や会計参与、監査役、会計監査人として認められます。
原文
39
設立時に取締役などになる条件
- 第39条
- 取締役会設置会社を設立するときは、設立時に3人以上の取締役を決めてください。
- 2
- 監査役会設置会社を設立するときは、設立時に3人以上の監査役を決めてください。
- 3
- 監査等委員会設置会社を設立するときは、設立時に3人以上の監査等委員である取締役を決めてください。
- 4
- 株式会社の取締役や会計参与、監査役、会計監査人になる資格がない人は、設立時でも取締役や会計参与、監査役、会計監査人となることができません。
- 5
- 未成年者が株式会社の設立時に取締役や監査役になる場合は、本人が同意をした上で、成年後見人が就任することを承諾する必要があります。
原文
40
株式会社設立時の役員の決め方
- 第40条
- 株式会社の設立時点で役員を決めるには、発起人の議決権の過半数を得る必要があります。
- 2
- 役員を決めるための議決権は発起人が持つ1株が1票となります。
単元株式が定款で決められている場合、1単元株が1票となります。 - 3
- 種類株式会社の設立に際して、取締役を決めるための議決権が無いバリエーションの株式も発行された場合、この株式を持っていても取締役の議決に加わることはできません。
- 4
- 監査等委員会設置会社であり、種類株式会社でもある株式会社の設立に際して、取締役の議決権の無いバリエーションの株式を発行された場合、この株式を持っていても普通の取締役の議決にも、監査等委員である取締役の議決にも加わることはできません。
- 5
- 種類株式会社の設立に際して、会計参与、監査役、会計監査人の議決権の無いバリエーションの株式を発行された場合、この株式を持っていてもこれらの役職の議決に加わることはできません。
原文
41
種類株式の場合の取締役や監査役の設立時の決め方
- 第41条
- 種類株式会社の設立に際して取締役の決め方にバリエーションのある株式が発行された場合、設立時の取締役を決めるには、議決権を割り当てられた株式を持つ発起人の過半数の議決を得る必要があります。
- 2
- 第1項のケースで、取締役を決めるための議決権は、発起人が持つ議決権のある株式1株が1票となります。
単元株式が定款で決められている場合、1単元が1票となります。 - 3
- 種類株式会社の設立に際して監査役の決め方にバリエーションのある株式が発行された場合、設立時の監査役を決めるには、議決権を割り当てられた株式を持つ発起人の過半数の議決を得る必要があります。
監査役を決めるための議決権は、発起人が持つ議決権のある種類の株式1株が1票となります。
原文
42
設立前なら役員候補者を取り消して
- 第42条
- 実際に会社が設立するまでの間は、発起人によっていったん決めた役員候補を解任することが認められます。
原文
43
設立前の役員候補者を取り消すには
- 第43条
- いったん決めた株式会社設立時の役員候補を解任するには、発起人の議決権の過半数を得る必要があります。
いったん決めた株式会社設立時の監査等委員である取締役や、監査等委員である監査役を解任するには、発起人の議決権の3分の2以上を得る必要があります。 - 2
- いったん決めた株式会社設立時の役員候補を解任するための議決権は、発起人が持つ1株が1票となります。
単元株式が定款で決められている場合、1単元株が1票となります。 - 3
- 種類株式会社の設立に際して取締役の議決権の無いバリエーションの株式が発行された場合、この株式を持っていても取締役の解任の議決に加わることはできません。
- 4
- 監査等委員会設置会社であり、種類株式会社でもある株式会社の設立に際して、取締役の議決権の無いバリエーションの株式が発行された場合、この株式を持っていても普通の取締役の議決にも、監査等委員である取締役の解任の議決に加わることはできません。
- 5
- 種類株式会社の設立に際して会計参与、監査役、会計監査人の議決権の無いバリエーションの株式が発行された場合、この株式を持っていてもこれらの役職の解任の議決に加わることはできません。
原文
44
設立時の取締役に決まりかけた人を解任するには
- 第44条
- 種類株式会社の設立に際して取締役を決める議決権にバリエーションのある株式が発行された場合、いったん決まった設立時の取締役を解任するには、議決権を割り当てられた株式を持つ発起人の過半数の議決を得る必要があります。
- 2
- 定款に、株主総会や種類株主総会でいったん決まった取締役でも株主総会で議決を得れば解任することができると規定されている場合、解任を決議するには発起人の議決権の過半数を得る必要があります。
- 3
- いったん決まった設立時の取締役の解任の議決権は、発起人が持つ1株が1票となります。
単元株式が定款で決められている場合、1単元株が1票となります。 - 4
- 定款に、株主総会や種類株主総会でいったん決まった取締役でも株主総会で議決を得れば解任することができると規定されていても、種類株式会社の設立に際して取締役の議決権の無いバリエーションの株式が発行された場合、この株式を持っていても取締役の解任の議決に加わることはできません。
- 5
- 種類株式会社の設立に際して監査等委員である取締役や監査役を決める議決権にバリエーションのある株式が発行された場合、いったん決まった設立時の監査役などを解任するには、議決権を割り当てられた株式を持つ発起人の3分の2の議決を得る必要があります。
定款に、株主総会や種類株主総会でいったん決まった監査等委員である取締役や監査役でも株主総会で議決を得れば解任することができると規定されている場合、解任を決議するには発起人の議決権の過半数を得る必要があります。
いったん決まった設立時の監査等委員である取締役や監査役の解任の議決権は、発起人が持つ1株が1票となります。
単元株式が定款で決められている場合、1単元株が1票となります。
定款に、株主総会や種類株主総会でいったん決まった監査等委員である取締役や監査役でも株主総会で議決を得れば解任することができると規定されていても、種類株式会社の設立に際して取締役の議決権の無いバリエーションの株式が発行された場合、この株式を持っていても取締役の解任の議決に加わることはできません。
原文
45
発起人による過半数の議決がないと種類株主による議決だけでは
- 第45条
- 種類株式を発行する株式会社を設立するケースで、定款に次の議決をするためには種類株主による議決が必要であると定めている場合であっても、これを有効とするには、それぞの条件をクリアすることが必要で、この条件をクリアするには発起人による過半数の議決が必要です。
- 一
- 取締役の選任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その取締役の選任を発起人による過半数の議決をしておくこと。
取締役の解任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その取締役の解任を発起人による過半数の議決をしておくこと。 - 二
- 監査等委員である取締役の選任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その取締役の選任を発起人による過半数の議決をしておくこと。
監査等委員である取締役の解任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その取締役の解任を発起人による過半数の議決をしておくこと。 - 三
- 会計参与の選任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その会計参与の選任を発起人による過半数の議決をしておくこと。
会計参与の解任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その会計参与の解任を発起人による過半数の議決をしておくこと。 - 四
- 監査役の選任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その監査役の選任を発起人による過半数の議決をしておくこと。
監査役の解任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その監査役の解任を発起人による過半数の議決をしておくこと。 - 五
- 会計監査人の選任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その会計監査人の選任を発起人による過半数の議決をしておくこと。
会計監査人の解任について種類株主による議決が必要であると定款で定めている場合であっても、その会計監査人の解任を発起人による過半数の議決をしておくこと。 - 2
- 種類株主による議決を有効とするための条件として発起人による議決を行う場合は、発起人が持つ1株が1票となります。
単元株式が定款で決められている場合、1単元株が1票となります。
原文
46
第5節 設立時の取締役のさしあたっての業務
第五節 設立時取締役等による調査
設立時の取締役、まずは調査を
- 第46条
- 株式会社の設立時点で取締役に就任したら、まずは次の事項の検査に取りかかってください。
- 一
- 株式会社の現物資産が定款に記載通りの価値があるかどうか。
- 二
- 税理士や監査法人などから受けた現物資産の評価証明が妥当なものかどうか。
- 三
- 全ての出資者がきちんと全額の出資を終えているか。
- 四
- 会社設立の手続きやが法令に違反していたり、定款と異なる内容になっていないか。
- 2
- 検査の結果、現物資産が定款と異なる価値しかなかったり、会社設立の手続に違法性や定款とは異なることが判明したら、発起人に報告をしてください。
- 3
- 指名委員会等設置会社を設立する場合、検査が終わったら設立時点の代表執行役に通知してください。
現物資産が定款と異なる価値しかなかったり、会社設立の手続に違法性や定款とは異なることが判明したら、設立時点の代表執行役に通知してください。
原文
47
第6節 設立時点での代表取締役は
第六節 設立時代表取締役等の選定等
代表取締役を決めよう
- 第47条
- 取締役会設置会社を設立する場合、設立時の取締役の中から設立時点における代表取締役を決めてください。
- 2
- 株式会社として完全に成立するまでの間であれば、決めた代表取締役を変えてもかまいません。
- 3
- 設立時点での代表取締役を決めたり、変えたりするには発起人の議決権の過半数を得る必要があります。
原文
48
各種委員や代表執行役を決めよう
- 第48条
- 指名委員会等設置会社を設立する場合、取締役は以下の対応をしてください。
- 一
- 設立時の取締役の中から次の委員を選出してください。
- イ
- 指名委員会の委員
- ロ
- 監査委員会の委員
- ハ
- 報酬委員会の委員
- 二
- 執行役
- 三
- 設立時の執行役の中から代表執行役を選出してください。
執行役が1人しかいないケースでは、その人が代表執行役となります。 - 2
- 株式会社として完全に成立するまでの間であれば、設立時の取締役は決めた各種委員会の委員や代表執行役を変えてもかまいません。
- 3
- 各種委員会の委員や代表執行役を決めるには取締役の過半数の同意を得る必要があります。
原文
49
第7節 株式会社の成立
第七節 株式会社の成立
登記をしたら株式会社が成立
- 第49条
- 株式会社の成立の準備が整ったら、本社所在地にある法務局で登記をしてください。
登記を終えると株式会社として成立します。
原文
50
発起人は株式会社設立時の株主に
- 第50条
- 株式会社として設立した時点での株主は出資をした発起人となります。
- 2
- 株式会社の設立時点で株主となる権利は他人に譲り渡すことは不可能ではありません。
実際にその権利が譲り渡されていたとしても、株式会社側では発起人だった人を設立時点での株主として扱うことが認められます。
原文
51
発起人が株主を引き受けたら
- 第51条
- 発起人が冗談のつもりで「株式会社設立時の株主を引き受ける」といったら、株主としての有限の責任を負ったことになります。
発起人と株式会社が「発起人が株式会社設立時の株主」と認めたように装ったら、発起人は株主としての有限の責任を負い、株式会社は株主に対する義務を負ったことになります。 - 2
- 株式会社の成立以降に発起人が「勘違いなので株主を引き受けたつもりはない」とか、「騙されて株主になってしまった。」「脅されて株主にさせられた」とかいっても、設立時の株主になったことを取り消すことはできません。
原文
52
第8節 株式会社を設立した人たちの責任とは
第八節 発起人等の責任等
株式会社が成立したのにあるはずの資産が不足していたら
- 第52条
- 株式会社の成立した時点で蓋を開けてみたら定款に記載された資産には全然足りていないことが発覚したら、発起人と設立時点での取締役は資産の不足分を負担する責任を追うことになります。
- 2
- 次のケースに該当する場合は、発起人や取締役が資産の不足分を支払う責任を負う必要はありません。
- 一
- 定款に記載する会社の資産についてきちんと裁判所に検査役を選任してもらっていた場合。
- 二
- 発起人や取締役が自分の職務や役割をきちんと果たしていたことを証明した場合。
- 3
- 税理士、弁護士、公認会計士、監査法人など株式会社の資産の評価証明をした人は、自分の職務をキッチリ果たしたことが証明できない場合は、発起人や取締役と同様に資産の不足分を支払う責任を負うことになります。
原文
53
実際に出資がきちんと行われていないことが発覚したら
- 第52条の2
- 株式会社設立のための出資に関して発起人が次のような偽装をしていたら、該当する義務を果たしてください。
- 一
- 実際には出資金を支払っていないのに、書類上では支払ったように偽装していたら、全額の支払いをする義務。
- 二
- 実際には金銭以外の資産の提供をしていないのに、書類上では提供したように偽装していたら、全品の提供する義務。
- 2
- 出資の義務が偽装されていたことが発覚したら、これに関わる責任ある取締役が自分の職務をキッチリ果たしたことが証明できない場合は、その人が出資金の支払いや資産の提供をしなければなりません。
これに関わる責任ある取締役について、詳しいことは法務省令で規定されています。 - 3
- 出資の義務が偽装されていたことが発覚したら、発起人と責任ある取締役は連帯責任で出資金の支払いや資産の提供をしてください。
- 4
- 株式会社設立のための出資に関して発起人が偽装をしていたら、該当の義務を果たし終えるまでは株主としての権利は認められません。
偽装によって手に入れた株には配当や議決の権利は認められません。 - 5
- 偽装したせいで本来の権利が認められないとは知らずに、その株式を譲り受けた人には株主や株式の権利は認められます。
偽装したせいで本来の権利が認めらないことを知っていて、その株主を譲り受けた人には株主や株式の権利は認められません。
原文
54
設立時、いいかげんな職務をしていると
- 第53条
- 株式会社の設立にあたり、発起人、設立時の取締役、設立時の監査役が各自に与えられた職務をきちんと果たしていないために株式会社に対して損害を与えてしまった場合、その補償をしなければなりません。
- 2
- 株式会社の設立にあたり、発起人、設立時の取締役、設立時の監査役が関係者に対して迷惑がかかることも承知の上で、与えられた職務をきちんと果たさないことにより、関係者に対して損害を与えてしまった場合、その補償をしなければなりません。
株式会社の設立にあたり、発起人、設立時の取締役、設立時の監査役が与えられた職務を全くいい加減に行ったことにより、関係者に対して損害を与えてしまった場合、その補償をしなければなりません。
原文
55
株式会社や他の関係者に対する損害賠償は連帯責任
- 第54条
- 発起人や取締役、監査役など複数の人が株式会社に対する損害賠償をしなければならないときは、連帯して債務を負うことになるため、その内の一人に全ての債務を負わせようが、関わる全ての人で債務を分担しようが、かまわないということになります。
他の関係者に対する損害賠償をしなければならないときも同様に、連帯して債務を負うことになります。
原文
56
株式会社設立に関する責任を免除してもらうためには
- 第55条
- 株式会社設立に関する次の責任や義務を免除してもらうためには、全ての株主の同意を得る必要があります、
- 定款に記載された資産の不足分を発起人と設立時点での取締役が負担する責任。
- 出資金の支払いなどに関する偽装に対して発起人が支払いをする義務。
- 出資の義務が偽装に関わる責任ある取締役が出資金の支払いを補う義務。
- 与えられた職務を果たさなかったために株式会社に損害を与えてしまった場合に発起人、設立時の取締役、設立時の監査役その補償をする責任。
原文
57
株式会社を成立させることができなかったら
- 第56条
- 株式会社を成立させることができなかったら、その後始末は発起人が全員で連帯して責任を負うことになります。
要した費用は発起人が全員で連帯して支払いを負担してください。
原文
58
第9節 株式を引き受けてもらって株式会社を
第九節 募集による設立
第1款 株式を引き受けてくれる人を募集しよう
第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集
株式を引き受けてくれる人の募集ルールを決めよう
- 第57条
- 株式会社として設立見込みの組織に出資をして株式を受け取ることを《株式の引受》といいます。
発起人はこの款の規定に従うことにより、株式引受の募集をすると決めることができます。 - 2
- 株式の引受をしてくれる人を募集する場合、全ての発起人が募集ルールを承認する必要があります。
原文
59
設立時募集株式の募集をするための取り決め
- 第58条
- 株式会社の設立に際して募集に応じてくれた人に割り当てるための株式のことを《設立時募集株式》といいます。
この株式を募集する際には、募集するたびに次のことを決めておく必要があります。 - 一
- 募集する設立時募集株式の数。
種類株式発行会社の設立の場合は株式のバリエーションとそれぞれの募集数。 - 二
- 1株に対して支払う金額。
- 三
- 金額の支払い期日、または支払い期間
- 四
- 期限内に株式会社としての登記ができなかった場合に株式引受のキャンセルを認める場合は、そのキャンセルを認めることについての詳細とその期限。
- 2
- 設立時募集株式に関する取り決めは全ての発起人の承認が必要です。
- 3
- 設立時募集株式の募集は何回かに分けて行ってもかまいませんが、1株あたりの支払金額などの条件は募集する度に同じにする必要があります。
原文
60
設立時募集株式の申込み方法
- 第59条
- 設立時募集株式の引受の応募に申し込もうとしている人には、発起人から次の内容の通知が送られます。
- 一
- 定款の認証を受けた日付と認証をした公証人の氏名。
- 二
- 事業の目的、会社名や商号、本社の所在地、設立時の出資額、発起人の名前と住所。
お金以外の出資者がいる場合にその人の名前と住所、支援の内容、割り当てられた株式の数。
株式会社設立後に財政支援をすることが決まっている場合に、その支援者の名前と住所、支援の内容、割り当てられた株式の数。
設立後に報酬を受ける場合に、発起人の名前と住所、支払われる報酬金額。
株式会社が設立時の費用を負担する場合に、その費用。
設立の際に発起人への割り当てられる株式の数、負担金額資本金や資本準備金に関する取り決め。
設立時募集株式の数、1株の金額、支払い期日、キャンセルに関する事項。 - 三
- 発起人の出資額。
- 四
- 設立時募集株式の代金の支払いができる金融機関。
- 五
- その他の法務省令で定められた事項。
- 2
- 発起人の中に出資のための義務を果たしていない人がいる場合、督促をしてその猶予の期間中は発起人からの通知は発信されません。
- 3
- 設立時募集株式の引受に応募するには、発起人に対して書面で次の内容を知らせてください。
- 一
- 申込みをする人の氏名と住所、法人の場合はその名称と所在地。
- 二
- 引受をする株式の数。
- 4
- デジタルでの受付がOKの場合は発起人に対する書面での通知は必要ありません。
- 5
- 通知の内容に変更があった場合は直ちに変更内容を引受の応募をした人に変更内容を通知してください。
- 6
- 応募の申込みをした人に対する通知や、申込みをしたのに支払いをしない人への催告は申込みの際の氏名・住所に送られます。
- 7
- 応募の申込みをした人に対する通知や催告は、郵送やe-Mailの配信に必要な期間が経過したらちゃんと届いたものとみなされます。/dd>
原文
61
設立時募集株式の引受の応募者の中から
- 第60条
- 設立時募集株式の引受の応募者の中から、誰にどれだけの株式を割り当てるのかは発起人が決めることになります。
この場合、必ずしも応募者全員の要望に応える必要はなく、また募集した全ての株式を割り当てる必要もありません。 - 2
- 設立時募集株式の引受が決まったら、遅くとも株式代金支払いの前日までに割当数の通知が届くことになっています。
原文
62
設立時募集株式の全てを引き受けてもらう契約を
- 第61条
- 設立時募集株式の全数を引き受けてもらう契約を結ぶことが認められています。
この契約を結んだら、特に引受をしてもらう相手に通知をする必要はなく、もちろん全ての株式はその相手が引き受けることになります。
原文
63
株式会社が設立したら、設立時募集株式の割り振り数は
- 第62条
- 設立時募集株式の申込みをした人や設立時募集株式の全数を引き受けた人は、株式会社が設立すると各号に記載の数の株式が割り振られます。
- 一
- 設立時募集株式の申込みをした人は、申込みをした内の発起人が決めた数の株式が割り振られます。
- 二
- 設立時募集株式の全数を引き受けた人は、引受をした全数の株式が割り振られます。
原文
64
期限内に指定の金融機関へ代金の支払いを
- 第63条
- 株式会社の設立時の株式を引き受けることになったら、期限内に指定の金融機関へ代金の支払いをしてください。
- 2
- 株式の代金を支払うことにより、株式会社から株主として認められます。
手に入れた株式を他人に譲渡することは可能ですが、そのことを知らされていない株式会社側は代金を支払った人を株主として扱うことになります。 - 3
- 期限内に指定の金融機関へ代金の支払いをしなかったら、株式会社の設立時の株式を引き受けることができる権利を失うことになります。
原文
65
金融機関に対して代金保管の証明書を
- 第64条
- 発起人は設立時募集株式の代金の支払先となる金融機関に対して払い込まれたお金の保管状況について証明書を発行してもらうことができます。
- 2難文
- 金融機関と発起人がグルになって保管金を偽装することを防ぐため、証明書に記載の金額と実際の保管金額が違っていても、株式会社が成立以降は公的には証明書の金額が正しいこととします。
設立時の株式の代金を支払ったら諸事情があっても返金しないというルールがあったとしても、株式会社の成立以降は株式会社がそのお金の引き出しを金融機関が拒むことは公的には認められません。
原文
66
第2款 設立にあたり株主が集まって
第2款 創立総会等
設立の見通しとなったら、株主総会を
- 第65条
- 募集に応じて出資された資金をもとに株式会社が設立の見通しとなったら、株主総会は資本金の資金の支払日以降、取り急ぎ株主総会を開催してください。
設立にあたり開催される株主総会のことを《設立時総会》といいます。 - 2
- 設立時総会は1回きりにしなければならないものではなく、発起人が必要だと認めたら、その都度開催することが認められます。
原文
67
創立総会の議題
- 第66条
- 創立総会で話し合われるのは次の議題に限られます。
- この節で決めなければならないと規定されている事項について。
- 株式会社の設立の取りやめについて。
- この節に規定されていないものの、株式会社創立に関して決めておく必要があること。
- 創立総会を完了するかどうかについて。
原文
68
創立総会の開催にあたって決めておくこと
- 第67条
- 創立総会を開催するにあたり、次の事項は発起人によって決められます。
- 一
- 創立総会の開催日時と開催場所について。
- 二
- 創立総会で承認を受けようとするテーマについて。
- 三
- 創立総会に出席できない人のために書面で議決権を行使できる取り決めについて。
- 四
- 創立総会に出席できない人のためにデジタルで議決権を行使できる取り決めについて。
- 五
- その他、法務省令で定める事項について。
- 2
- 創立総会において議決権を持つ株主が1000人以上いる場合は、必ず書面で議決権を行使できるようにする必要があります。
原文
69
創立総会開催の通知は
- 第68条
- 株式会社の創立総会開催の通知は開催日の2週間前までに設立時の株主宛に届きます。
公開会社に該当しない場合で、書面やデジタルでの議決権に関する取り決めがないケースでは1週間前までに届きます。
取締役会設置会社に該当しない場合で、定款で2週間や1週間よりも短い期間を指定しているケースでは、その期間までに届きます。 - 2
- 次に該当するケースの創立総会の通知は必ず書面で届きます。
- 一
- 書面やデジタルでの議決権に関する取り決めをしたケース。
- 二
- 取締役会設置会社に該当するケース。
- 3
- 創立総会の通知が書面で届けなければならないケースであっても、設立時の株主に承諾があれば、書面の代わりにE-mailやネット情報により通知されることがあります。
承諾を得るための手続きについて詳しいことは政令で規定されています。 - 4
- 創立総会の通知の書面やE-mailの文面には、発起人が定めた「創立総会の開催日時と開催場所」「創立総会で承認を受けようとするテーマ」「書面やデジタルで議決権が行使できるかどうか」「その他、法務省令で定められた事項」が記載されています。
- 5
- 創立総会の通知は、定款に記載された発起人の住所や、設立時募集株式の引受に応募した人の住所または所在地宛に行われます。
それ以外の宛先へ通知を送付してほしい場合は予め発起人に対してその宛先を知らせておく必要があります。 - 6
- 創立総会の通知がきちんと発信されたら、その通知が届くまでに必要な時間が経過した時点で着信したものとみなされます。
- 7
- 創立総会の通知を郵便による書面で行う場合は定款記載の発起人や設立時募集株式の引受人の住所または所在地宛に郵送し、所定の郵便到着日時が経過したら届けられたものとみなされます。
創立総会の通知をE-mailで行う場合は定款記載の発起人や設立時募集株式の引受人のメールアドレス宛に発信し、送信が完了下地点で着信したものとみなされます。
原文
70
創立総会に株主を招き入れるための手続きをしなくても
- 第69条
- 設立時点での株主全員が同意すれば、創立総会に株主を招き入れるための手続きをしなくても開催することが認められます。
書面やデジタルでの議決権に関する取り決めをしたケースでは必ず手続きをしてください。
原文
71
議決のための書類にはガイドブックが
- 第70条
- 議決権を書面で行使できるようにした場合、その議決のための書面だけでなく、議事の内容についてのガイドブックが株主宛に送られます。
このガイドブックのことを《創立総会参考書類》といいます。
創立総会参考書類について詳しいことは法務省令で規定されています。 - 2
- 創立総会の通知をデジタルデータで行うことが認められた場合、議決のための書類や案内文もデジタルで対応することも認められます。
ただし、株主の一人でもアナログの書類をという声が上がったら、その対応もする必要があります。
原文
72
議決権の行使もデジタルで
- 第71条
- 議決権をデジタルで行使できるようにした場合、創立総会開催通知といっしょに創立総会参考書類も届けられます。
この場合の創立総会参考書類についても詳しいことは法務省令で規定されています。 - 2
- 株主からデジタルでの通知OKとなった場合、創立総会参考書類もデジタルで送信することが認められます。
- 3
- デジタルで創立総会参考書類を送信される場合、デジタルで議決行使ができるようになります。
- 4
- デジタルでの開催通知を拒否した人であっても、総会の1週間前までに「やっぱりデジタルで」との要請が届いたらデジタルで対応してもらえます。
原文
73
創立総会での議決権は
- 第72条
- 創立総会では、原則的に1株に対して1つの議決権となります。
定款で単元株式数を決めているケースでは、1単元に対して1つの議決権となります。
株式会社が1/4以上の株式を所有しているなど株式会社自身が経営権を握っているケースなどの法務省令に該当する場合は例外となります。 - 2
- 議決に加わることができないと定められたバリエーションの株式を発行する種類株式発行会社の創立総会では、この株式を持つ株主は該当する議決に加わることはできません。
- 3
- 株式会社の設立の断念を話し合う創立総会ではいかなるバリエーションの株主であっても議決権が認められます。
原文
74
創立総会での決議には
- 第73条
- 創立総会における決議には、議決権の1/2以上の承認と、総会に出席した株主の2/3以上の承認が必要です。
- 2
- 創立総会において「株式の譲渡には株式会社の承認が必要とする」ことを定款に書き込むことを決議するには、株主の半数以上の承認と、総会に出席した株主の2/3以上の承認が必要です。
- 3
- 創立総会において「所定の状況になったら株式会社が株式を取得できる」ことをを定款に書き込んだり、定款の内容の変更することを決議するには、創立時の株主の全員の承認が必要です。
- 4
- 創立総会で議決できるのは、通知されている「創立総会で承認を受けようとするテーマ」と、「定款の変更」、「株式会社設立の取りやめ」に関することに限られます。
原文
75
創立総会には代理人に任せても
- 第74条
- 創立総会には代理人に議決権の行使を任せることが認められています。
その場合、委任状を発起人に提示してください。 - 2
- 代理人の委任状は創立総会が開催されるごとに提示をしてください。
- 3
- 発起人の承認を得られれば、政令の規定に従ってデジタルデータで代理人の委任をすることが認められます。
- 4
- 創立総会の通知がE-mailやネット情報により行われた場合、デジタルデータで代理人の委任をすることは無条件に認められます。
- 5
- 創立総会に出席できる代理人の人数は制限されることがあります。
- 6
- 創立総会に関する代理人の委任状は発起人により所定の場所に総会の開催日から3ヶ月の間、閲覧できるように保管されます。
デジタルデータの委任状も同様に総会の開催日から3ヶ月の間、閲覧できるように保管されます。
デジタルデータの閲覧方法については法務省令で規定されています。 - 7
- 発起人が決めた一定期間内であれば、設立時の株主には次の行為をする権利が認められます。
- 一
- 代理の委任を証明する書類を閲覧したりコピーをとること。
- 二
- 代理の委任を証明するデジタルデータをデジタルデバイスで閲覧したり、コピーやプリントアウトをすること。
原文
76
書面で創立総会の議決権を行使しよう
- 第75条
- 創立総会に出席をしなくても、発起人に所定の書類を提出することで議決権を行使することが認められます。
所定の書類のことを《議決権行使書面》といい、これに必要な事項を記載して、期限内に提出してください。
期限は法務省令で規定されています。 - 2
- 創立総会の議決の1票と議決権行使書面での1票は同じ1票として扱います。
- 3
- 発起人に提出された議決権行使書面は創立総会の開催日から3ヶ月の間、設立時の株主が閲覧できるように保管されます。
- 4
- 設立時の株主は発起人が決めた時間内であればいつでも議決権行使書面を閲覧したり、コピーを取ったりすることが認められます。
原文
77
デジタルで創立総会の議決権を行使しよう
- 第76条
- 発起人の承諾を得たら、デジタルデータで議決権を行使することができます。
デジタルで行う場合、所定の期限までに必要事項を発起人に対して送信します。
この期限は法務省令で規定されています。
詳しいことは政令で規定されています。 - 2
- 創立総会の通知をデジタルデータで行った場合、議決権の行使もデジタルデータで行うことが認められます。
- 3
- 創立総会の議決の1票とデジタルデータでの議決権行使での1票は同じ1票として扱います。
- 4
- 発起人に送信されたデジタルデータでの議決権行使された情報は創立総会の開催日から3ヶ月の間、設立時の株主が閲覧できるように保管されます。
- 5
- 設立時の株主は発起人が決めた時間内であればいつでもデジタルデータでの議決権行使の情報をデジタルデバイスで閲覧したり、コピーやプリントアウトをすることが認められます。
デジタルデータの閲覧方法については法務省令で規定されています。
原文
78
創立総会で反対意見にも議決権を行使しても
- 第77条
- 株式を複数持っている場合、必ずしも全ての議決権を賛成だけ、あるいは反対だけといった一方だけの意見に投票する必要はありません。
それぞれの意見に任意の配分をして投票してもかまいません。
ただし、その場合は創立総会の日の3日前までに発起人の方にそのような投票をすることを理由を添えて通知しておく必要があります。 - 2
- 株式を自分以外の人も所有に関わっているために意見を配分して投票する場合はやむを得ないのですが、完全に自分しか所有に関わっていない場合に関しては配分しなければならない理由とは言えません。
完全に自分しか所有に関わっていない株主が任意の配分の投票をした場合は、発起人によりそのような議決権の教師を拒否されることがあります。
原文
79
創立総会で不明なことがあれば
- 第78条
- 創立総会では、株式会社の設立に関する特定の事項について不明なことがあれば、発起人に対して必要な説明を求めることができます。
発起人は求められたことについてきちんと説明をしてください。
会社の設立とは関係のないテーマや、公表してしまうと株主間の共通の利益を大きく害するテーマ、そして法務省令で規定されている正当な理由に該当するテーマについては発起人に説明を拒まれることになります。
原文
80
創立総会の議長の役目
- 第79条
- 創立総会の議長になったら、総会の議事を整理し、秩序のある運営を行ってください。
- 2
- 創立総会で秩序を乱す人がいたり、議長の注意に逆らう人がいたら総会からの退場を命じることが認められます。
原文
81
創立総会で延期や継続を決議したら
- 第80条
- 第67条には創立総会の開催にあたって決めておくことについての規定が、第68条には創立総会開催の通知についての規定がありますが、創立総会の中で会議の延期や継続についての決議をした場合、これらの規定を適用する必要はありません。
原文
82
創立総会で話し合われたことは議事録に
- 第81条
- 創立総会で話し合われたことは議事録にまとめられます。
議事録のとり方については法務省令で規定されています。 - 2
- 創立総会の議事録は発起人によって10年間保管されます。
議事録は株式会社が設立されるまでは発起人が決めた場所で、設立後は株式会社の本社内で保管されます。 - 3
- 発起人が決めた時間内であれば、設立時の株主は次の議事録の閲覧やコピーをすることが認められます。
- 一
- 書類で作成された場合は議事録の書類の閲覧やコピー。
- 二
- デジタルデータで作成された場合は議事録のデジタルデバイスを使っての閲覧やコピー、プリントアウト。
デジタルデータの閲覧方法については法務省令で規定されています。 - 4
- 設立された株式会社の親会社の社員が創立総会の議事録を閲覧したり、コピーをしたい場合は裁判所の許可を得る必要があります。
原文
83
創立総会を開催しないで済ますには
- 第82条
- 条件を満たせば、創立総会を開催しないで済ますことが可能です。
その条件とは、通知されている「創立総会で承認を受けようとするテーマ」について設立時の全ての株主から承認を受けることです。
しかし集まって会議の場で採決するわけでにはいかないので、書面かデジタルにより意思表示をしてもらうことが必要です。 - 2
- 創立総会を開催しないで、全ての株主の承認を受けた場合、意思表示のための書面かデジタルデータは10年間発起人により保管されることになります。
- 3
- 発起人が決めた時間内であれば、設立時の株主は同意の意思表示を記録した次の書面やデジタルデータを閲覧したりコピーを取ることが認められます。
- 一
- 書面で意思表示が行われた場合はその書類の閲覧やコピー。
- 二
- デジタルで意思表示が行われた場合、デジタルデバイスを使っての閲覧やコピー、プリントアウト。
デジタルデータの閲覧方法については法務省令で規定されています。 - 4
- 設立された株式会社の親会社の社員が創立総会を開催しない代わりに行った全ての株主の承認の書類やデジタルデータをコピーしたい場合は裁判所の許可を得る必要があります。
原文
84
創立総会で報告をしないで済ますには
- 第83条
- 条件を満たせば、創立総会で行わなければならない報告をしないで済ますことが可能です。
その条件とは、報告しなければならない情報を設立時の全ての株主に通知した上で、創立総会では報告を行わないことも通知をすることです。
この通知は書面かデジタルで行うことが必要です。
原文
85
創立総会でも種類株式を持つ株主の決議は
- 第84条
- 一般の株主による決議とは別に、種類株式を持つ特定の株主による決議が必要ということを定款で定めている種類株式会社を設立する場合、創立総会でも種類株式を持つ株主による決議を必要とします。
創立総会の時点で、その種類株式が発行されていない場合はそのような決議は必要としません。
原文
86
種類創立総会を開いて議決を
- 第85条
- 次のケースでは種類株主による決議が必要となる場合があります。
この場合、発起人により種類株主のための創立総会が開催されます。 - 2
- 種類株式会社の創立総会では、議決権のある種類株主による過半数の承認と、創立総会に出席した議決権のある種類株主による3分の2の承認を得て決議となります。
- 3
- 第101条第1項のケースでは、議決権のある種類株主による過半数の承認と、ダメージを受けるおそれのある種類株主による3分の2の承認を得て決議となります。
原文
87
種類創立総会でも創立総会の規定を
- 第86条
- 種類創立総会でも、次の創立総会を開催する場合の規定を同じように適用します。
- 創立総会の開催にあたって決めておくことについての規定
(第67条) - 創立総会開催の通知についての規定
(第68条) - 創立総会に株主招集手続きをしなくてもよい場合の規定
(第69条) - 議決の書類に創立総会参考書類をつけることの規定
(第70条) - 議決権の行使をデジタルで行えることについての規定
(第71条) - 創立総会では1株で1つの議決権であることについての規定
(第72条第1項) - 創立総会を代理人に任せることについての規定
(第74条) - 書面で創立総会の議決権を行使する場合の規定
(第75条) - デジタルで創立総会の議決権を行使する場合の規定
(第76条) - 創立総会で反対意見にも議決権を行使しても良い場合の規定
(第77条) - 創立総会で不明なことがある場合の規定
(第78条) - 創立総会で延期や継続を決議した場合の規定
(第80条) - 創立総会の議事録についての規定
(第81条) - 創立総会を開催しないで済ますための規定
(第82条)
- 創立総会の開催にあたって決めておくことについての規定
原文
88
第3款 株式会社の設立に関する報告
第3款 設立に関する事項の報告
創立総会で報告されること
- 第87条
- 創立総会では、発起人から株式会社の設立に関することの報告が行われます。
- 2
- 次に関する事項は創立総会で書面やデジタル情報により提示されます。
- 一
- 定款に記載される次の事項
- お金以外の出資者がいる場合は出資者のプロフィールや割り当てられる株数。
- 設立後に支援を受けることが決まっていたら支援者のプロフィールや支援の内容。
- 設立に関する報酬を支払うことが決まっていたらその受取人のプロフィールや報酬の額。
- 設立に関わる費用を株式会社が負担することになっていたらその費用。
- 二
- 次の定款にプロフィールを記載しなくても構わないことを証明する事項
- 株式会社に出資される500万円以下の出資金に関する証明。
- 額面が記載された有価証券や、額面割れした有価証券が資産として提供されたことについての証明。
- 現物支給された資産について税理士や弁護士などによる評価額の証明
原文
89
第4款 役員を決めよう
第4款 設立時取締役等の選任及び解任
創立総会で役職を決めよう
- 第88条
- 株式引受の募集をする場合、次の役職を決めるためには創立総会での決議が必要です。
- 設立時取締役
- 設立時会計参与
- 設立時監査役
- 設立時会計監査人
- 2
- 監査等委員会設置会社の設立総会で、株式引受の募集をするために設立時取締役を決める必要がある場合、設立時監査等委員である設立時取締役と委員ではない設立時取締役とは区別をして決める必要があります。
原文
90
設立時株主が望めば、1株1票を一人の候補でなくても
- 第89条
- 創立総会で複数の設立時取締役を決める場合、定款で特別なルールを決めていない限り、設立時の株主は次の3項から5項の規定にしたがって決めるように発起人へ要請することが認められます。
- 2
- 設立時の株主が次の3項から5項の規定にしたがって設立時取締役を決めるように発起人へ要請をするには、創立総会の5日前までに要請の手続きをしてください。
- 3
- 創立総会の議決は原則として1株あたり1票ですが、1株につき決める人数分の票数を持つことにしてもらうことができます。
人数分の票数を持っているので、取締役候補の一人ずつに投票してもかまいませんが、だれか一人の候補だけに票を集中したり、特定の候補たちだけに振り分けて投票してもかまいません。 - 4
- 1株につき決める人数分の票数で投票を行った場合、各得票数の多い候補者から順番に選任されたものとなります。
- 5
- 1株につき決める人数分の票数で投票を行う場合の詳しいことは法務省令の規定に従うこととします。
原文
91
議決権を持つ種類株主による議決を得て取締役や監査役を
- 第90条
- 定款に、取締役を決める議決権を持つ株主になれる株式とその議決権を持てない株式の2種類あることにすると記載されているケースでは、議決権を持つ株主による種類株主総会での議決を得て取締役を決めてください。
これに該当するケースについては第108条第1項第九号に、取締役を決めるための詳細については第108条第2項第九号に規定されています。 - 2
- 定款に、監査役を決める議決権を持つ株主になれる株式とその議決権を持てない株式の2種類あることにすると記載されているケースでも、議決権を持つ株主による種類株主総会での議決を得て監査役を決めてください。
原文
92
株式会社の成立前であれば、創立総会を開き直して解任することも
- 第91条
- 創立総会によって役職を決めたとしても、株式会社が成立する前であれば創立総会を開き直して解任の決議をすると、これらの役職の解任が認められます。
原文
93
議決権を持つ種類株主の議決を得て取締役や監査役の解任を
- 第92条
- 取締役を決める議決権を持つ株主による種類創立総会で決めたとしても、種類株式会社が成立する前であれば、議決権を持つ株主による種類創立総会を開き直して解任の決議をすると、この取締役の解任が認められます。
- 2
- 定款に規定があれば、取締役の解任は一般を含む全ての株主による創立総会で解任の決議をすれば認められます。
- 3
- 監査等委員を務める取締役を決める議決権を持つ株主による種類創立総会で決めたとしても、種類株式会社が成立する前であれば、議決権を持つ株主による種類創立総会を開き直して解任の決議をすると、この設立時監査等委員を務める設立時取締役やそれ以外の設立時取締役の解任が認められます。
- 4
- 監査役を決める議決権を持つ株主による種類創立総会で決めたとしても、種類株式会社が成立する前であれば、議決権を持つ株主による種類創立総会を開き直して解任の決議をすると、この監査役の解任が認められます。
定款に規定があれば、監査役の解任は一般を含む全ての株主による創立総会で解任の決議をすれば認められます。
原文
94
第5款 株式会社にちゃんと資産があるかの調査と報告を
第5款 設立時取締役等による調査
設立時取締役になったら調査を
- 第93条
- 設立時取締役になったら、次の調査をしてください。
- 一
- 定款に記載されている500万円以下の支援金や有価証券などの資産が額面通りの価値があるかどうか。
- 二
- 現物支給された資産が税理士らによる評価証明通りの価値があるかどうか。
- 三
- 発起人からきちんと出資されたかどうか、株式引受の代金が期限内に入金しているかどうか。
- 四
- 株式会社の設立の手続が法令に違反していたり、定款に違反していないかどうか。
- 2
- 設立時取締役になって、調査をしたら、その結果を創立総会で報告してください。
- 3
- 創立総会で株主から調査内容についての説明を求められたら、設立時の取締役は詳しく説明をしてください。
原文
95
設立時取締役の代わりに調査と報告を
- 第94条
- 発起人が設立時取締役を務める場合、設立時取締役が行う調査を別の人に任せることが認められます。
別の人に調査を任せるかどうかは創立総会での決議が必要です。 - 2
- 創立総会での決議で設立時取締役の代わりに調査を任された人は、必要な調査をして、創立総会で調査結果の報告をしてくださ。
原文
96
第6款 そのタイミングの定款変更は
第6款 定款の変更
株式引受の募集をしたら定款の書き直しは
- 第95条
- 株式の引受を募集することにしたら、代金の支払い時期になった時点で、裁判所から定款書き直しの指示を受けることになったり、発起人の総意で定款書き直しを決めたとしても、定款を変更することは認められません。
原文
97
認証後の定款変更は創立総会の決議を得て
- 第96条
- 公証人の認証を受けた後に定款を変更するには、創立総会の決議を得る必要があります。
原文
98
株式を引き受けるつもりなのに定款変更の決議が通ってしまったら
- 第97条
- 株式を引き受けるつもりでいたところ、反対したにも関わらず創立総会で定款を変更の決議が通ってしまったら、その後の二週間以内に限り株式を引き受けたことを取り消すことが認められます。
原文
99
発行可能株式総数を決めていなかったら会社成立前に総会で
- 第98条
- 株式引受の募集をするにあたり、定款で発行可能な株式総数を決めていない場合、株式会社の成立前までに創立総会で発行可能株式総数の決議を得て定款を変更してください。
原文
100
種類株式会社の定款を変更する場合は
- 第99条
- 種類株式発行会社を設立するにあたり、次のケースに該当する場合は、それぞれのケースに該当する種類の設立時株主の全員の同意を得る必要があります。
- 一
- ある条件が発生すると、株式会社によって持っている株式が引き取られ、別のタイプの株式が交付されるという株式を発行しようとする場合。
- 二
- ある種類の株主に対してダメージを生じる可能性があることとして第322条に規定されている事項。
原文
101
種類株式についての定款の変更は種類創立総会の議決を(1)
- 第100条
- 種類株式発行会社を設立する前に、種類株式のバリエーションに関する定款を変更するには、次の設立時種類株主による種類創立総会で決議を得る必要があります。
このケースあたる定款は第108条の第1項の第四項と第七項に規定されています。
なお、これらの総会で議決権を持つ種類株主が存在しない場合は種類創立総会を開いたり、議決を得る必要はありません。 - 一
- 変更内容に該当する種類株式の株主。
- 二
- 株式会社の意向によって持っている株式が引き取られ、別のタイプの株式が交付されるという株式の株主。
- 三
- ある条件が発生すると、株式会社によって持っている株式が引き取られ、別のタイプの株式が交付されるという株式の株主。
- 2
- 種類株主が定款の変更がどうしても気に入らない場合、種類創立総会で定款の変更が可決されても反対しておけば、株式の引受を取り消すことができます。
ただし、取り消しができるのは種類創立総会で決議が行われた日から2週間以内に限られます。
原文
102
種類株式についての定款の変更は種類創立総会の議決を(2)
- 第101条
- 種類株式発行会社の設立にあたり、定款の中の次の内容を変更することにより特定のタイプの株式を持つ株主にとってダメージを及ぼすおそれがある場合、このタイプの株式を持つ株主による創立総会での議決を得る必要があります。
なお、このような総会で議決権を持つ種類株主が存在しない場合は種類創立総会を開いたり、議決を得る必要はありません。 - 一
- 株式のバリエーションの追加。
- 二
- 株式の仕様を変更。
- 三
- 発行する株式の総数や、株式のバリエーションごとの発行できる数の追加。
- 2
- 単元株式の追加についての定款の変更の場合、特定のタイプの株式を持つ株主にとってダメージを及ぼすおそれがあっても、定款に該当する種類株主総会の決議はなくて変更可能と規定している場合は、定款の規定通り種類創立総会を開いたり、議決を得る必要はありません。
原文
103
第7款 株式会社の設立にあたって例外的なケースでは
第7款 設立手続等の特則等
株式を引き受けたら、引き受けたのに
- 第102条
- 設立時の株式を引き受けたら、発起人が定めた時間内であればいつでも定款を閲覧することが認められます。
ただし閲覧するには発起人が定めた手数料を支払う必要になることがあります。 - 2
- 株式会社として成立したら、設立時の株式を引き受けた人が株主となります。
- 3
- 株式を引き受けたのにも関わらず、裏に手を回して株式の代金を支払ったように見せかけていた場合、見せかけの状態をなんとかするまで株主としての権利を行使することは認められません。
- 4
- 株や株を取得できる権利を譲り渡した人が代金を支払ったように見せかけていた上に、その株や権利を他人に譲り渡した場合、そのようなことを知っていたり悪用しようとして譲り受けた人は、見せかけの状態をなんとかするまで株主としての権利を行使することは認められません。
ただし、そのようなことを知らなかったり、悪用するつもりがなかった場合は株主としての権利を行使することが認められます。 - 5
- 設立時募集株式の引受に関して明らかにうそや冗談であったとしても、契約を結んだ以上、この契約は成立したとみなされます。
設立時募集株式の引受に関して契約したように装った以上、その契約は成立しているものとみなされます。 - 6
- 設立時募集株式の引受をして、創立総会や株式会社成立後の株主総会で一度でも議決権を行使したら、たとえ株式を引き受けたことが勘違いであったとしても、設立時株式の引受を取り消すことは認められません。
同様に、詐欺や脅迫にあって議決権を行使したのだとしても、設立時株式の引受を取り消すことは認められません。
原文
104
裏に手を回して株式の代金を支払っていなかったら
- 第102条の2
- 株式の引受をしたにもかかわらず、裏に手を回して株式の代金を支払っていなかったら、その全額の支払いをしなければなりません。
- 2
- どうしても全額の支払いを免除してもらうためには、全ての株主の許しを得る必要があります。
原文
105
発起人の責任について
- 第103条
- 設立時株式の引受けを募集した際に、定款に記載する会社の資産についてきちんと裁判所に検査役を選任してもらっていた場合、発起人や取締役が資産の不足分を支払う責任を負う必要がありません。
- 2
- 裏に手を回して株式の代金を支払ったように見せかけていた株式の引受人に対して、発起人や設立時株主が見せかけに手を貸していたら、彼らも株式の代金の支払いについて連帯責任を負うことになります。
運悪く見せかけに関わってしまったケースであっても、発起人としての職務をきちんと果たしていたことを証明できない場合は、株式の代金の支払いについて連帯責任を負うことになります。
このケースで、代金の支払いについて連帯責任の対象となる発起人や設立時株主についての詳細は法務省令で規定されています。 - 3
- 支払いの見せかけに手を貸した発起人や設立時株主が負った連帯責任を免除するためには、全ての株主の同意を得る必要があります。
- 4
- 設立時株式の引受けを募集するために用意した広告や案内資料などの書面やデジタルデータに、承諾して自分の名前や法人の名称と募集に対するサポートの意思を示していたら、発起人と同様に代金支払いの連帯責任を負うことになります。
原文
106
第2編 第2章 株式について
第1編 第4章 事業を譲り渡したんだから